近年、お墓に関する問題が増えてきています。
相続といった子どもへの負担、無縁墓になるリスク、維持や管理の問題など、少子高齢社会において、お墓を負担に思う方は少なくありません。
そこで注目されているのが「墓じまい」。
ここ数年で墓じまいの工事件数は大幅に増えており、業者数も増えてきています。
この記事では、そんな墓じまいについて、業者ランキングや選び方のコツ、墓じまいの手順などを紹介します。
墓じまいとは?
墓じまいとは、「墓石を撤去して、墓所を更地にすることで、その所有権を墓地所有者に返すこと」を意味します。
厚生労働省が公表した衛生行政報告例によると、2022年の改葬件数は15万1,076件にのぼり、過去最高の数値になるなど増加傾向にあります。
その背景には、お墓が遠方にあるから移したい、管理に身体的・金銭的な負担が大きいといった声の他、お墓や供養に対する価値観の多様化といったことも挙げられるでしょう。
そんな墓じまいですが、勝手にお墓から遺骨を取り出して、別の場所に納骨することは、法律で禁止されています。
そのため、遺骨の移動には行政手続きが必要になり、また取り出した後も、遺骨の供養先を探さなければなりません。
個人で工事の手配から行政手続き、納骨場所を探すといったことまでを行うのは非常に困難なので、業者に依頼する場合がほとんどです。
墓じまい業者を利用した方が良いメリット3選
墓じまいを考えるとき、まずは業者を選びから始めましょう。
「業者って必要なの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、墓じまいを業者に依頼せずに行うのは非常に難しいです。
ここでは、業者を選ぶメリットを3つ解説します。
忙しくても墓じまいができる
業者によっては、自身がその場に行かずとも、遠距離での相談や工事といった対応をしてくれる場合があります。
職人が出張して、墓石の解体や墓所を更地にしてくれるサービスなどもあり、自身が忙しくて動けない場合でも、墓じまいを進められます。
トラブルを防止することができる
墓じまいを進める際、トラブルにぶつかってしまうことがあります。
考えられるトラブルの一例として、以下が挙げられます。
- 費用が用意できない。
- 工事で想像以上のお金を請求される。
- 法外な離檀料を請求されてしまう。
- 納骨先が見つからない。
業者によっては一人ひとりに担当者がつくケースもあり、墓じまいのエキスパートである業者を頼れば、上記のようなトラブルを回避できます。
専門知識が豊富
墓じまいには行政手続きが必要なほか、多くの工程を踏むため、専門的な知識が不可欠です。
工事業者の斡旋、供養方法の決定、供養先の選定、墓所の管理人との交渉、行政手続きといった準備を個人で行うにはハードルが高いので、業者を頼った方が安心だといえます。
おすすめの墓じまい業者をランキング形式で発表します
墓じまいの業者は、需要の増加に伴って数を増やしています。
業者によって、料金設定もサービスも大きく異なるので、よくよく検討が必要です。
ここでは、おすすめの業者をランキング形式で紹介します。
1位.わたしたちの墓じまい
「わたしたちの墓じまい」は、創業18年の実績と業界屈指の安値を誇る業者です。
値段をできるだけ安く抑えたい方に特におすすめです。
また、離檀交渉や行政手続きの代行といったオプションも充実しており、手厚いサービスを受けられます。
オプションを含め、料金の透明性が高いのも、安心して選べるポイントです。
2位.イオンのお葬式
「イオンのお葬式」は、イオングループの行う、墓じまいの代行サービスです。
ワンセットプランが特徴で、墓石の解体・処分から、行政手続き、さらには墓所を更地にするといった、墓じまいに必要な流れを一括で依頼できます。
また、全国一律料金なのも分かりやすく、墓じまいに知識のない方におすすめです。
3位.ミキワの墓じまい
「ミキワの墓じまい」は、ワンストップサービスという、行政手続き代行から墓石の解体・処分までを、ワンストップで行ってくれるサービスが特徴的な企業です。
業者が代行して全てを行ってくれるので、自身で行うことが少なくて済みます。
また、墓じまい後のサービスも充実しており、忙しくて身動きがとりづらい方におすすめです。
4位.エータイ(永代供養墓普及会)
「エータイ(永代供養墓普及会)」は、業界最大手の実績があり、大手企業に安心して任せたい方におすすめの企業です。
セットプランはありませんが、オプションメニューが非常に充実しており、遺骨の移動や一時預かりといった、墓じまい以外のサービスもあります。
格安な部類であり、必要なものを選んで依頼することに特化しています。
5位.メモリアル石材
「メモリアル石材」は、最短1ヵ月という、短い日程で墓じまいできるのが特徴の業者です。
時間に余裕がない方には特におすすめです。
また、サポートが手厚く、セットプランもあるため、墓じまいの知識のない方にもおすすめです。
料金は全国統一で、見積もりや問い合わせは無料でできるため、詳しい相談などを気軽に行えます。
6位.e-墓じまい(散骨想)
「e-墓じまい(散骨想)」は、10年以上も創業しており、多くの実績がある会社です。
墓石事業も行っているため、墓石は中間業者を介さない価格になっています。
東京・埼玉・千葉・神奈川で活動している会社で、多摩霊園・小平霊園・八王子霊園では、特に安い価格で対応できます。
また離檀実績も多く、「法外な離檀亮を請求された」といったトラブルの相談も可能です。
7位.株式会社絆
「株式会社絆」は、東京・神奈川・埼玉・千葉に展開する、地域密着型の業者です。
オーダーメイドプランが特徴で、お墓の大きさによっては、定額料金では高くなってしまう、規定サイズから少しだけ外れてしまうといったこともあり、そんな悩みを抱えている方におすすめです。
8位.株式会社美匠
「株式会社美匠」は、年間900もの墓じまい工事実績を誇り、30以上のメディアで紹介されたという、実績と信頼のある会社です。
一人ひとりに専任アドバイザーがついて業務終了までサポートしてくれるという形態をとっているため、要望や気持ちを伝えやすく、分からないことが多い状態でも安心して墓じまいを始められます。
9位.涙そうそう(株式会社終楽)
「涙そうそう(株式会社終楽)」は、創業20年という、長い実績をもつ業者です。
担当者が付いて一貫して対応してくれるので、安心して墓じまいを進められます。
長い実績からくる安心感に加え、対応の丁寧さに評判があり、口コミ評価も高いです。
10位.おこつ.net
「おこつ.net」は、1㎡あたり55,000円という、格安な値段設定をしている企業です。
アフターフォローに力を入れており、墓じまいや解体後のトラブルや問題についても、専門家が丁寧に対応してくれます。
業者選びのコツとは?
墓じまいで大切なのは、自身のニーズに合った業者を選ぶことです。
価格も一つの指標になりますが、業者によって特徴的なサービスやオプションがあります。
ここでは、業者選びのコツを紹介します。
なお、墓じまいの業者選びに関する情報は、以下の記事でも詳しくまとめていますので、この記事と合わせてご覧になってみてはいかがでしょうか。
墓じまい代行の流れは?メリットや業者選びのコツをわかりやすく解説
サービスの範囲を確認する
墓じまいは、墓地の墓石を撤去して更地にし、新しい納骨先に遺骨を移動します。
しかし、その過程には様々な知識が求められ、またトラブルが発生します。
そんな問題に直面してしまっても、サービスが充実している業者であれば安心です。
業者が行っているサービスの具体例は、以下の通りです。
- 墓石の撤去・処分
- 離檀交渉、寺院との交渉代理
- 行政書士代行
- 遺骨の移動、一時預かり
- 供養先の紹介
上記は一例ですが、業者によっては行っていないサービスもあるため、頼もうとしている業者のオプションはよく確認しておきましょう。
複数の業者に見積りを貰う
墓じまいを行う業者の中には、いわゆる悪徳業者も紛れており、内容が不明瞭なオプション料金を請求されたり、工事後に追加料金を請求されたりするケースもあります。
値段やサービスの比較・検討がしやすいというメリットもあるため、業者に依頼する際は、複数の業者から見積をとって、項目などをよく確認することをおすすめします。
口コミを確認する
業者によってサービスや対応も様々なので、依頼する前に一度、口コミも確認しておきましょう。
「企業名 墓じまい 口コミ」のように検索すれば、利用した人のリアルな意見を集められます。
また、よりリアルな意見を知りたいのであれば、SNSを活用することも一つの手段です。
SNSでは損得を抜きにした意見も散見されるので、依頼を考えている業者の、具体的な対応を知ることができる可能性があります。
あくまで参考になる程度の話ですが、口コミが極端に悪い業者は何かしらの問題を抱えている可能性が高いので要注意です。
墓じまいの手順を大公開
墓じまいは多くの手順を踏むため、難しく感じる方もいるかもしれません。
実際、業者を頼らずに墓じまいを行うのは困難ですが、流れ自体はそんなに難しくはありません。
ここでは、墓じまいの手順を説明します。
①親族間で話し合い、お墓じまいの許諾を得る
墓じまいを考えている方は、まずは親族からの同意をもらうようにしましょう。
お墓は故人をしのぶ大切なものなので、勝手に進めると、トラブルに発展する可能性が高いです。
費用の負担や遺骨の供養方法といった話もあるので、親族の方に相談して、必ず許可を貰うようにしましょう。
②墓地管理者に、改葬したい旨を伝える
行政手続きに必要な「埋葬証明書」を発行してもらうため、お寺や墓地管理者に、墓じまいの件を伝える必要があります。
その際、お寺の中にお墓がある場合、お布施として離檀料を支払うことになります。
しかし中には法外な金額を請求されるケースもあるそうです。
法外な金額を請求される場合は「離檀サポート」がある業者に頼るといいでしょう。
③次の納骨先を見つける
納骨先を選ぶ際、供養方法もしっかり確認しておきましょう。
特に、最近では「永代供養」の人気が高まっています。
永代供養とは、永代供養墓をもつ寺院などが行っている供養で、供養料を一度払うことで、永代的に供養してもらえます。
また、「散骨」や「納骨堂」、「樹木葬」といった、さまざまな供養方法があるので、自分の想いにあった供養方法を探してみましょう。
納骨先が決まったら、受け入れ先の墓地管理者から、「受入証明書」を発行してもらいます。
④行政手続き
勝手に遺骨を移動したり、破棄したりすることは、法律で禁止されています。
そのため、公的書類を用意しなければなりません。
役所で発行するのは、主に「改葬許可申請書」と「改葬許可証」です。
また、前項の「埋葬証明書」や「受入証明書」も必要になるほか、自治体によって必要な書類や手順が異なるので、よくよく確認が必要です。
手順や移動が多い作業ですので、大変な方は、業者に依頼してしまいましょう。
⑤墓石の閉眼供養
閉眼供養とは、お墓から仏様の魂を抜く作業のことです。
墓石を撤去する前に必ず行う、大切なプロセスです。
墓じまいの工事をする前には、ご住職に閉眼供養を依頼しておきましょう。
⑥墓石の撤去・解体
墓地の墓石を撤去し、基礎を解体して更地にします。
墓石の撤去・解体作業は石材店に依頼することがほとんどで、石材店、ご住職と事前に日程を打ち合わせしておきましょう。
大切な過程であるとともに、お金も多くかかるので、信頼できる業者を選ぶ必要があります。
⑦遺骨を次の供養先に納骨
事前に決めた納骨先に、遺骨を移動します。
事前に日程を決めて運び、納骨時に、墓地管理者に「改葬許可証」を提出します。
【まとめ】墓じまい業者ランキングを参考に、ニーズに合った業者を見つけよう
この記事では、墓じまいの業者ランキングや業者の選び方について解説しました。
業者を選ぶ際は、料金はもちろんですが、お墓は親族の想いがこもった大切なものですので、信頼できるかを慎重に調べるのをおすすめします。
また、自身のニーズを把握し、その望みを叶えられるかを調べるのも、業者選びでは大切です。
料金が高くても、その分オプションが充実しているといった場合もあるので、資料請求を行って、複数の会社から見積をとることをおすすめします。
本記事のランキングが、後悔のない代行業者探しの参考になれば幸いです。